花咲く丘に♪

アルツハイマー型認知症の父と介護する母が気がかりな、娘のharuがつづります。笑顔で^^

引っ越すきっかけ

両親が私の近くへ越してきて5年以上経ちます。

 

これからの老後を子供の近くで過ごしたいと母がしぶる父を説得し、私の住むC市へ数泊の日程を組んでやってきたのが2008年の春。

父は兄弟が多いのですがその末っ子。

兄姉が天国へ行くのを見届け終わったのがひとつのきっかけでもあります。

当時、私は両親がこちらへ移住するための下見だと思っていました。

ところが母が今回で新居を決めていく、と。

何度も往復するのはお金も時間もかかる、と。

理屈はもっともなのだけど心の準備が全くできていなかった。

 

最初に見に行った物件は両親の希望予算以下のところ。

あらかじめ私は下見しました。

きれい好きな母には建物の古さによる汚れが気になるかとは思ったのですが、実家のあった北海道T市とこちらでは家賃の相場は違うので、それを実感してもらうためには見てもらわないと。

結果、予想通り母却下^^;

 

何軒も見て回ると両親にとっての住まいのポイントが見えてきます。

ある程度新しいところ。南向き。水回りがきれいなところ。

バス停やスーパー、年金を受け取る金融機関まで遠すぎないところ。

母の要望を満たして父が納得できるところ。

東京に居る兄にも、メールでなく電話で、まめに途中経過を連絡しました。

予算を引き上げて何軒か見て回り決めかけたものを覆したことも。

わがままな客です。

でも、引っかかったままで過ごすと、後で出てきてしまいそうで。

 

このときに父にまだ認知症の診断は下りていません。

母からの電話で父が大事な書類を捨ててしまったなどと聞いてはいました。

軽度認知症が始まっていたのかもしれません。

でも仮にそうだったとしても、そのせいなのか今となってはわかる術もありません。

父の親戚で認知症になった人を見ている母は父のことを何かおかしいな、とは感じていたようです。

 

2008年に両親が暮らし始めた部屋はうちから徒歩10分くらいでした。

2階の部屋で日当たり良好でうちから近いことが決め手に。

雨の日でも歩いていくのが苦にならない距離で、往復する時間を含めても1時間あれば話ができて私は楽でした。

週に2回は行っていました。週3回行ったときもあると思います。

 

昨年に今の部屋に越しました。

転居を決めたきっかけは母が腰痛になり部屋への階段の上り下りと台所に立つのが辛くなったこと。

前の部屋は木造のため音が響くのも気になっていたようです。

引っ越しは認知症の父にはよくないとは思いました。

父も4年住んで慣れた部屋を離れたがりませんでした。

介護する母が倒れては目も当てられませんので止むを得ませんでした。

 

今の部屋は軽量鉄骨の1階です。

階段は無くなりましたが音に敏感な母はここでも音が気になります。

父は引っ越し後少しの間はトイレや玄関を探しましたが、直に迷わなくなりました。

ここへ越す際に父に合うか合わないかは特に考えていません。

しいて言えば段差が少ないことくらいでしょうか。

住環境に関しては母のほうが気になることが多く、父は母が満足していればおおむね大丈夫です。今のところ。

 

今の部屋はうちから歩いて20分弱。

雨の日はほとんど行かなくなってしまいました。

1時間では往復してまとまった話もできないので行くときは2時間みます。

2時間を作るのはけっこう負担。

行くのも週2回、最近は1回のこともしばしば。

父とは午後のおやつの時間あたりからが話しやすいので、時間を合わせにくくなってきたのも回数が減った一因です。

週1ですと、日々の細かい変化をすべてつかむのは難しいと感じています。

 

引っ越しを言い出すのはいつも母で動き出すとその速さはすごい。

そんなに急がなくてもと思うのだけど口に出すときはもう決心がついているのでしょうね。

ひとつひとつのことを、引きずらないで区切りをつけていく人だから、次に全力が注げるのだと思います。

 

この5年で両親はともに歩くのがゆっくりになりました。

私も5年前には体力的にもう少し無茶ができていたと思います。

弱音ですね(苦笑)

 

母は近頃将来の不安を口にします。

金銭的なこと、うちとの距離。

今の住まいに不満がある様子。

父の病気のことは進行がゆっくりだと、前向きにとらえています。

趣味の友人は多いけれど、家を行き来できる友人がほしいのかな…

同年輩の人が多い環境に変えたら変わるだろうか。

次の引っ越しを考えなくてはいけないだろうか。

引っ越しばっかり^^;